【介護職員の離職】 待遇の改善を急がねば

【介護職員の離職】 待遇の改善を急がねば

【介護職員の離職】 待遇の改善を急がねば

 

 

介護職員の仕事をよく理解し、もっと大切にする社会でありたい。

 

介護福祉士やヘルパーら介護職員の離職率が2013年度、16・6%だったことが厚生労働省などの調べで分かった。前年度より若干改善したものの全産業平均よりまだ2?近く高い。

 

介護現場は体力面できつい仕事があり、その一方で他産業に比べて平均賃金が安いために離職率が高い状況が続いている。

 

離職率が2割を超えていた07年度以降、政府は3年に1度の介護報酬改定時などに処遇改善を行ってきた。だが他産業の水準には追いついていない。

 

夢や希望を抱いて介護の道に進んだ若者の中には、厳しい労働条件などから短期間で転職する者もいる。

 

国の試算では、「団塊の世代」が75歳以上となる25年度には、最大約250万人の介護職員が必要とされる。現状では約150万人しかおらず、毎年7万〜8万人ずつ増やさなければならない。

 

介護職員は経験や知識を積むほどサービスの質が向上し、それは介護を受ける側のメリットにもなる。経験を持った介護職員が次々と辞めていくのは社会にとって大きな損失だ。

 

来年度は介護報酬が改定される。国は待遇や労働条件の改善を着実に行ってほしい。私たちも介護の仕事の大切さを再認識し、職場への定着を応援したい。

 

介護職の魅力をアップするには、労働条件の改善に加え、一部で始まっている「キャリア段位制度」も有効だ。職員の技術や知識を第三者機関などが審査評価する仕組みで、やりがいやスキル向上につながるだろう。

 

注目したいのは、介護ロボットの開発と普及だ。ロボットは重い荷物を持ち上げたり、高齢者の移動を手助けしたりするのに力を発揮し、企業が急ピッチで開発している。

 

本年度から国も介護現場での活用実験を始め、量産化のめどなどを探っている。全ての仕事を介護ロボットに委ねることは当然できないが、現場の負担軽減になれば、離職者が減る可能性がある。

 

国は医療・介護の基本方針を、従来の「病院完結型」から地元で患者や高齢者を支える「地域完結型」へ転換した。その受け皿として在宅医療や介護を充実させる必要がある。お年寄りらが地域で安心して暮らせるよう、「担い手」を大事に育てていきたい。

 

http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=324468&nwIW=1&nwVt=knd
http://gyazo.com/f9f75a364ef6c25e7e721bbc52469191

 

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