高齢者の体温上昇幅、20代の3倍 熱中症リスク高く
75歳以上の高齢者は体温を感知する機能が衰えて発汗しにくくなるため熱が体にこもり、体温の上昇幅が20代の2〜3倍程度となるという研究結果を2日までに、名古屋工業大大学院の平田晃正准教授(医用工学)のグループがまとめた。
高齢者が熱中症になりやすいことを裏付けるデータで、平田准教授は「高齢者は体温上昇に気づきにくい。気づいた時は既に想像以上に上がっており、周囲の気配りが大切だ」と話している。
体温は皮膚や内臓、骨にある温度を感知する器官の情報を基に脳が制御している。体温が上昇すると、脳が汗を出すよう指示するが、高齢者は温度感知の機能が低下し、発汗しにくくなる。
研究グループは75歳以上の高齢者が運動をした時の体温変化や発汗を調べたカナダや日本のデータを利用。気温と体温上昇の関係を示す数式を作成しコンピューターでシミュレーションした。
その結果、気温35度、湿度60%の状態に90分間いた場合、22歳の若者は体温が0.24度上昇したのに対し、高齢者は0.83度と3倍以上。気温37.5度では若者が0.46度、高齢者は0.95度だった。若者はすぐ汗をかいたが、高齢者は15分以上たってから発汗し、量も少なかった。〔共同〕
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO75170770S4A800C1CR8000/
http://gyazo.com/f3087a9039bb74b76feff8ceb93b77aa
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