増えるエスカレーター事故 搬送 半数が高齢者

増えるエスカレーター事故 搬送 半数が高齢者

増えるエスカレーター事故 搬送 半数が高齢者

 

 

エスカレーターでの転倒、転落事故が、東京都内で増えている。二〇一三年に救急搬送された人は〇五年の統計開始以来、最多の千三百八十八人になった。特に高齢者がつまずいたり、買い物用の手押し車が引っ掛かるなどしてバランスを崩す事故が目立ち、設置者側も対策に乗り出した。 (唐沢裕亮)

 

東京消防庁管内(稲城市と離島を除く都内)によると、一三年までの最近五年間、エスカレーター事故で運ばれた人は計六千二百八十八人。その約半数を七十歳以上が占め、数も年々増えている。ほとんどは運動能力低下による転倒や転落だった。

 

一三年二月には江戸川区のスーパーで、女性(80)が買い物カートを押して上りエスカレーターに乗ろうとした際、車輪が引っ掛かり転倒。右手首の骨を折った。七月には豊島区内のスーパーで、買い物用の手押し車が降り口に引っ掛かり、女性(89)が前のめりに転び全身を打つけがをした。

 

エスカレーターの乗降口と踏み段との段差に車輪が引っ掛かるケースが多いが、消防庁などの実態調査では、発生率はエスカレーターの運転速度にも大きく関係。毎分四十メートルの場合は、同二十メートルに比べ約三倍も高くなっていた。

 

「運動能力低下だけでなく、白内障などによる視力の衰えも事故につながる」。こう指摘するのは、製造会社などでつくる日本エレベーター協会(東京都港区)の田中宏部長。踏み段や手すりベルトの動き、動く方向が見えにくくなるからだ。

 

設置者側も手をこまねいているわけではない。

 

お年寄りでにぎわう東京・巣鴨の都営三田線巣鴨駅では、地蔵通り商店街側の出口の新設に合わせ、一般的な運転速度(毎分三十メートル)よりも遅い、毎分二十メートルで動くエスカレーターを設置。幅も大人一人分程度と狭くし、両手で手すりをつかみやすく、歩いてすり抜けができないようにした。近くのスーパー「西友」巣鴨店も低速エスカレーターを導入した。

 

エスカレーターの動く方向を分かりやすくする工夫も。JR東日本は昨年七月から東京、立川、川崎など八つの駅で、一部のエスカレーターの手すりに「おつかまりください」などのステッカーを張った。同社など鉄道事業者四十二社は七月下旬、手すりにつかまるようポスターで呼び掛けるキャンペーンも行った。

 

国民生活センターは「手すりを利用し、エスカレーター上の歩行は避ける。両手が荷物でふさがっているときや、買い物カートを使っているときはエレベーターを使って」と話している。

 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014081202000115.html
http://gyazo.com/6bf265d6f0892881854497c226d8233c

 

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